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出産前に読んでよかった本『フランスの子どもは夜泣きをしない』

産後すぐから3か月目くらいまで、何度も助けられた本をご紹介します。
もともと育児本を読むつもりはありませんでしたが、この本を手に取ったのには、2つの理由があります。

目次

この本を読んだ理由① 出産までに、子育て文化の違いを理解しておきたかったから

夫はドイツ人。子育て文化が違うことは明らかでした。寝ることひとつをとっても、「川の字」の日本と、小さなうちから親と別の部屋で寝かせるドイツ。ほかにも山ほど違いはあるでしょう。
いざ育児が始まってからもめるのはツライ。だから時間のある今のうちに、欧州流の子育てをざっくりとでも理解しておきたくて、本書を手に取りました。ドイツでちょうどよいものがなかったので、お隣フランスのものでひとまずよしとしました。

この本を読んだ理由② 赤ちゃんがいても夜ぐっすり眠れる方法があるなら、ぜひ知りたかったから

私は7時間睡眠がベストです。それより短いと、次の日は頭の回転が悪く、機嫌もよくありません。そんな私がこれから3時間おきに起きて授乳なんてできるのか。赤ちゃんがいても夜眠れる方法があるのか。
もともとは異文化理解のために本を探していたものの、このタイトルの「夜泣きをしない」に強烈にひかれて読んでみることにしました。

読んでみて① 夜泣きへの効果あり

この本が私の先入観をくつがえしてくれたのは、期待通り、夜泣きについての章でした。
私は、「赤ちゃんとは3時間おきに起きるもの。そして親はそれに合わせて授乳するもの」と思っていました。ところがこの本では、3時間おきの授乳は「短期的な課題」であり、「フランスでは、生後早い時期から、朝まで眠るのが標準」とまで書かれていました。その具体的なやり方は本書にゆずりますが、簡単にご紹介すると「泣いてもすぐにはあやさず、じっくりと観察する」「睡眠が途中で途切れても、赤ちゃんが自力で眠りに戻っていけるトレーニングのチャンスを与える」というものです。つまり、夜中しばらく赤ちゃんを泣かせたままにすることもあるであろう方法です。これには夫の理解が不可欠になると気づき、私はAmazonで英語版を買って、夫にも読んでもらうことにしました。

そしてそのやり方にふたりともが同意の上で試してみたところ、娘は本当に生後2か月目にして夜通し眠る子になりました。ただし生後まもなくは3時間おきに授乳しており、我が子がこんな小さなうちから夜通し眠れるなんてことが起こるのか、とても不安でした。深夜3時、授乳に起きるたびに、暗がりの中、繰り返し本を読みました。大切なところはハイライトして、疲れていてもすぐに目に入るようにして、自分の方針がブレないよう言い聞かせました。そうでなければ、泣いている我が子をついついすぐ抱き上げたり、声をかけたりしてしまいそうでしたし、いったん決めたルールを気分で変えることほど、子どもを混乱させることはないからです。

余談ですが、この経験を通して私は、夜通し眠ることを我が子にレッスンすること以外に、重要なことを2つ学びました。一つは、小さな我が子の力を100パーセント信じること(この場合は「夜通し眠ることができる」という力)、もう一つは、自己満足に陥らないこと(この場合は「いかにも親らしい世話をすることで、自分は責任を果たした気になれる一方、実は子どもの成長機会を奪っていたということにならないこと」)です。

読んでみて② 夫と、子育て方針・手段を建設的に話し合うことができた

これまでも夫は「自分の小さいころは〇〇だった」と、自分が受けた子育てやしつけについて、たびたび話してくれる人ではありました。そこに本の第三者情報が加わり「なるほど、ここに書いてあることは彼も言っていたな」との確認になりました(夫はドイツ人ですが、フランス式の本書と通じる考えをある程度もっていました)。
加えて、この本は、パリの親や保育者たちが当たり前に行っており、かつ本人にとっては当たり前すぎてなぜそうするのか説明できない子育て法を、よそから来た者としてじっくりと分析し、きめ細かく、整然と言語化してくれている点がすばらしい。これにより、私はパリの親たちの考えを理解し、同時に、夫の話の背景や前提がよりくっきりと見えるようになりました。

そして、私だけでなく、夫も同じものを読んだということが、さらに効果的でした。ひとつの例があると、「それで、私たちならどうしたいか?」が格段に話しやすくなるからです。

私の場合、国際結婚ということもあり「相手の考えが違って当たり前」と思うことそのものに苦労はなく、相手を理解しようとしたり、逆に自分の思いを、相手がイメージできるよう積極的に語るということが、もともと自然にできていたとは思います。そこへ迎えた子育てという新たなステージ。これまで知らなかった相手の価値観も見えてきたときに、この本が、対話を深める役を担ってくれました。

余談ですが、作者はアメリカ人で、本書では、フランス式と英米式の子育ての比較がたびたび出てきます。読んでいると、私は英米式の子育ての部分で「わかるわかる」と思い当たる節がたくさんあり、日本が英米式に近く、強い影響を受けていることにとても驚きました。

まとめ

出産前にたまたまこの本に出会え、夜泣き対策が取れたこと、子育てについて夫との会話が深められたことはラッキーそのものでした。
この本には、このほかにも食育など読み応えのある章が続きます。私の先入観をくつがえしてくれるものが多く、子どもの成長ステージに合わせて何度も読み返したいです。

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この記事を書いた人

1982年生まれ、A型。会社員。2014年よりドイツに3年半、マレーシアに2年半、駐在員として海外で働く。2020年10月、コロナ禍の中、本帰国。現在はドイツ人の夫、2021年生まれの娘と、都内で三人暮らし。
趣味は朝ヨガ。好きな食べ物はダークチョコレート。

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