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カルティエの腕時計修理、そして時計の要・不要について

新型コロナが始まって以来、腕時計をする機会がなくなりました。
電池も止まったまま3か月ほど放置。ミニマリスト傾向のある私は、このまま使わないなら売りに出してもいいかなあ……とも思い始めていました。

しかしもうすぐ入院。
携帯でいちいち時間を見るよりも時計のほうが便利なため、電池を交換しました。

ところがその3週間後、また時計が止まっている。
これは電池以外の問題かと、カルティエ銀座ブティックに持ち込んでみました。

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日本のカルティエブティックに初入店

時計修理を希望の客は、地下へ通されるようです。
座り心地のよいソファに案内され、冷えたエビアンの小ボトルをいただきながら待つこと数分。その間にいろんな考えがよぎります。

この時計との出会い

このタンクソロSMは、30歳になった自分への記念品でした。ロンドンを旅行中、オールドボンドストリートのブティックで買ったものです。

当時、私の周囲のきれいな女性はこぞってカルティエのタンクフランセーズをつけていました。デザインが美しく、正直に言って憧れでした。ただお店で試着してみると、なんとなく違和感が。より直線的で、フラットで、ややメンズライクなタンクソロのほうが自分には合っていました。

高級品への考え方の変化

40歳も目前となり、高級品に対する考え方が変わってきたのを感じます。それらは美しく、気分を上げてくれるかわりに、手間とコストがかかります。例えばコート。クリーニングに出すにしても、高級品向けのコースを選ぶことになります。汚れたら気軽に買い換えるというわけにもいきません。

手放すのも一苦労。少し高め程度のものならメルカリでも買い手がつきやすいですが、とびぬけて高くなると、買い手・売り手ともに慎重になります。売り手が、模倣品でなく真正品であると証明しなくてはならないこともあります。

今回の時計がもしも高級品でなかったなら?
限界まで使い倒して新しいものを買っていたでしょう。考えようではそのほうがラクですし、まったく別のものを探す楽しみもあります。

そんなことをぼんやりと考えていると、担当者が現れ、うやうやしく名刺を渡してくれました。その上で「30分あれば原因を特定できる」とのこと。外は猛暑。このままソファで待つことにしました。

この時間も、あの頃だったら特別なイベントのように感じていたかもしれないな。

時計が止まった原因と、修理コスト

さて結果は、油切れなどを起こしており、全体的なメンテナンスが必要とのことでした。約5年ごとにメンテナンスが必要だそうです。私は8年使っています。そりゃ、不調にもなるわけです。

費用は33,880円、納期は3〜4週間
受け取りの際は本人確認書類が必要。代理人による受け取りもできるそうです。

納期3週間―。ちょうど出産予定日にぶつかる。病院で使う予定だったのに、弱ったな。

不便な点ばかりが目についた上に、5年おきに3万円強がかかると知った私は、「3万円程度の時計を使い倒して買い替える案」と思わず天秤にかけて、1分ほど沈黙していたかもしれません。

「どうなさいますか?」
どうと言っても、ここで出さなければこの時計は永遠に使えない。
「お願いします」と答えました。

結局、修理に出した理由

あの瞬間、この時計はもう使わないと決めることもできましたが、結局修理することにした理由は。

・新しい時計を探す気分ではない
時間さえわかればどんな時計でもよいというわけではありません。身につける以上、気に入ったものを使いたい。しかし今は出産目前で、ゼロから探す気分ではありませんでした。新しいものを探すことは楽しみとなる反面、そんな気分でないときはただの手間となります。そもそも今回、時計が必要になったのは入院のため。それが終われば、腕時計をしない生活がまたしばらく続くでしょう。その点で、不調があればブティックにさえ持ち込めばよいというのは、効率的といえました。

・今の時計をいますぐどうしても手放したいわけではない
コロナ前は毎日使ってきたものです。全くもって飽きていないと言えばウソになりますが、仕事、プライベート、どんなシーンでも対応してくれるこの時計に愛着もあります。

・外に出て人に会うようになれば、また時計が必要になるかもしれない
とにかく今は外に出ず、時計を使わない。そのため、この時計というよりも、腕時計そのものの価値が、私の中で下がっているように感じます。しかし、外に出るようになればまた見方が変わるかもしれません。高級時計の要・不要、あるいは時計そのものの要・不要を決めるのは、その時でも遅くありません。

・売るにしても、メンテナンスは必要
同じ時計でも、状態のよしあし、メンテナンスの証明書の有無で、売却価格は変わってきます。

いかがでしたでしょうか。
コロナ禍で、腕時計に対する考え方が変わった人もいるのではないかと思います。私のように、手放そうかという人もいる一方、今、お金のかけどころがないために、自分へのご褒美として買い求める方もいるかと思います。

いずれにしても自分が納得でき、気持ちよくモノを所有していきたいですね。

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この記事を書いた人

1982年生まれ、A型。会社員。2014年よりドイツに3年半、マレーシアに2年半、駐在員として海外で働く。2020年10月、コロナ禍の中、本帰国。現在はドイツ人の夫、2021年生まれの娘と、都内で三人暮らし。
趣味は朝ヨガ。好きな食べ物はダークチョコレート。

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