年度末が近づいてきました。
来年度は友人が、またはご自身が海外に転勤するという方もいらっしゃるのではないでしょうか。私の友人はアメリカ赴任を控えています。
そこで、6年の海外経験を活かして、海外赴任祝いでほしいものを改めて考えてみました。
と言っておきながら実は「これがほしい!」「日本で買うべき、かつプレゼント向きのもの」がなかなか思い浮かばなかったというのが結論ですが、その中でも「これだ」と思えたものをご紹介します。
まず、海外赴任祝いの条件5選
①軽量である
②かさばらない(特に食品)
食品は、船便、航空便には入れられません。食品を持って行くならスーツケースに入れていくしかないのです。そのスーツケースには、到着直後から使う服や日用品や仕事道具も入るので、場所とり争いになります。食品を渡す場合は、手で持っていける量を意識しましょう。
③割れものでない
④液体物でない
日本にしかないお酒や、こだわりのお醤油。魅力的ですが万が一破損したらスーツケースの中身がまるごとダメージを受けるので、液体物を入れる時は私も、いつも悩みながら取捨選択しています。
⑤輸出入規制にひっかからない(肉類など)
各国当局ウェブサイトで、持ち込めないものを確認できます。
(例えばUSAならUSDAのサイト)
多くの場合、お肉を使った食品は持ち込みできません。つまりレトルトカレー、インスタントラーメンはNGです。
以上が、品選びの際に考慮しておきたいところでしょうか。
もちろん現地へ持って行ってもらわなくてよいお祝い品であれば(実家に送る、トランクルームに預けるなど)、選択肢は広がります。
海外赴任祝い 私だったらこれがほしい
あくまで私だったらという視点ですが、いくつか挙げてみます。
①お茶
福寿園の玉露金閣ティーバッグや、丸八製茶場の献上加賀棒茶 ティーバッグもうれしい。
緑茶は、海外の主要都市では手に入ります。贈り物には日本でしか手に入らない、おいしいお茶がおすすめ。
②飲むおだし、フリーズドライのスープ
にんべんの本枯鰹節・飲むおだしや、茅乃舎のスープなど。
渡航先が、食文化が大きく異なる欧州なら、こういうものがほっとする。
おだしにはアミノ酸が含まれていて疲労回復効果が期待できます。平日午後のもうひと踏ん張り、コーヒー、お茶はそろそろキツイなと思ったときに、おだしがいい仕事をしてくれます。
③ヒノキのアロマオイル
香りの好みは人それぞれですが、私だったらヒノキのアロマオイルがうれしい。檜風呂を思い起こさせ、ぱっと温泉に行けない場所に住んでいてもリフレッシュできます。海外赴任祝いの条件「割れない」「液体物でない」を思いきり無視したアイテムですが、ここまで小さな瓶なら割れる可能性が低いので、よしとしたいと思います。ただし開封済みのオイルは漏れる可能性もあります(経験あり)。未開封のまま渡航しましょう。
④マグボトル
軽量でスリムな形のマグボトルは、ドイツでもマレーシアでも重宝しました。例えば欧州では、冬の旅行中。冬休みにロンドンを旅した際、ホテルで温かいお茶を作ってから出かけました。自然史博物館に入るために、温かいお茶を飲みながら列に並んでいたことを思い出します。
出勤前、自宅でお気に入りのお豆でコーヒーを作って持って来る駐在員もいました。
マレーシアでは、顧客訪問前にオフィスで水を入れてから出発していました。
コンビニが至るところにない国では、飲み物は持ち歩くと便利です。私が使っているのは象印のステンレスマグ(0.6L)です。軽くスリムな形であることと、パッキンを外して洗う必要がない点が気に入っています。なお現在は、冬場の在宅勤務でも活躍中。温かいお茶を多めに作り置きできるので、お茶を作る回数が減らせます。マグボトルに入れたままだといつまでも熱く飲みにくいので、飲む分をマグカップに移しています。移すときにどうしても垂れてしまうのが難点ですが、総じて気に入っています。
⑤二八そば(乾麺)
これも適・不適が分かれるアイテムではあります。水をじゃぶじゃぶ使えない国に赴任する方には向かない品となるでしょう。私は蕎麦が好きなので、ドイツでは自宅で作っていました。(ドイツの水道水は硬水なだけで、飲む、蕎麦を洗うのには問題ありません。)
海外の日本食スーパーでも、そばの乾麺は手に入ります。ただ、成分を見ると小麦粉がトップにくるものが多い。そば粉の使用量が少ないんですね。そばにこだわりのある方にはこんなプレゼントもよいかもしれません。
⑥書籍
これも好き嫌いのあることですが、ぜひ検討してみてもらいたいプレゼント。海外赴任すると役割が大きく変わることがあるため、営業、経営など、その方の仕事内容に関係のある書籍を贈るのもよいでしょう。ガイドブックもよいですね。その場合、本人が既に用意していることも考えられるので『地球の歩き方』などの王道ではないものにしたり、周辺国のものにしたりするのも一案です。赴任国を舞台にした小説を渡すのもありでしょう。私はマレーシアに赴任してすぐに、クアラルンプールの紀伊国屋でマンガ『コーラン』を買いました。イスラム教を学び、現地の皆さんを理解するのに役に立ちました。ドイツでは、稲盛和夫さんの著書『考え方』を片手に、電車で一人旅もしました。時差や距離の関係で、いつでもすぐに誰かに相談できない環境では、偉大な先人の言葉が道しるべになってくれることもあります。
海外赴任祝いにおける、私の考え
基本的にグッズは、本人が、現地調達を楽しむものだと思っています。
何が必要かは現地に住んで初めてわかることです。また、その土地に必要なものはその土地で商品化されているものです。現地での購買体験そのものも、本人が現地とつながるチャンスです。
日本には便利なもの、気の利いたものがたくさんあります。ですが、海外にもまた魅力的なものがたくさんあったり、日本の品が進出していたりして、どうしても日本でなくては手に入らないものなど、いまやほとんどないように思っています。
もっとも喜ばれるのは、応援してくれるその気持ち
モノはどうにか手に入る。だからこそ「いってらっしゃい」と送り出してくれることが、なによりもうれしく、心に残ります。
空港まで来てくれたり、ハグしてくれたり。手紙を書いてくれたり。出発前に思い出作りの旅行に行ったり。直接会うことができなくても、応援のメールをくれたり。そうやって見送ってくれた人を忘れることはありません。
本記事をご覧の方は、送り出す人を思っていろいろと考えていらっしゃることと思います。その思いがあれば、どんなものを贈っても必ず喜ばれると思います。
以上ご参考になれば幸いです。